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11月の読書メーター

11月の読書メーター
読んだ本の数:1
読んだページ数:400
ナイス数:30

第二開国第二開国感想
kindle版を読了。父の介護のため久しぶりに故郷の奄美大島に戻った昇は、統合型リゾート建設に活気づく村に馴染もうとする、という幕開け。いきなり島言葉の会話で始まるが、『ワン・モア・ニューク』でも冒頭で現代アラビア語と正則アラビア語の違いを指摘していたのを思い出す。奄美出身の著者らしく言葉だけでなく、風景なども説得力ある描写。中盤でリゾート施設の本当の正体が明かされるが、そこから村が賛成派・反対派に二分され、終盤はテクノスリラー的な緊迫感ある展開でシビレた。ハードSFを得意としていた著者の新境地かも。
読了日:11月09日 著者:藤井 太洋

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2022.12.01 | コメント(0) | トラックバック(0) | 音楽

10月の読書メーター

10月の読書メーター
読んだ本の数:4
読んだページ数:1653
ナイス数:71

あなたのための物語 (ハヤカワ文庫JA)あなたのための物語 (ハヤカワ文庫JA)感想
長らく積読だったKindle版を読了。2080年代のシアトルで医療ベンチャーを立ち上げたサマンサが主人公。企業は順調に成長し人格さえも記述できるITP言語の開発に取り掛かり、コンピュータ上で擬似人格を創って古今の物語を学習させ物語を書かせる研究を始めるが、彼女は免疫の病に倒れ余命半年を告げられる。後の『BEATLESS』での「ヒトとモノのボーイ・ミーツ・ガール」につながるような擬似人格とサマンサのラブ・ストーリーが切なかった。そして「人間とは何か」、「物語とは何か」を真摯に問いかける「物語」でした。
読了日:10月03日 著者:長谷 敏司
My Humanity (ハヤカワ文庫JA)My Humanity (ハヤカワ文庫JA)感想
Kindle版を読了。『あなたのための物語』のITP言語をテーマにした二編、『BEATLESS』でのhIEや超高度AIが活躍する一編、ナノマシンの暴走を描く書き下ろしが収録された短編集。どれも「人間性」と真正面から向き合った深い作品だったが、『BEATLESS』のスピンオフである「Hollow Vision」が好きだな。宇宙エレベーターやラグランジュ点に浮かぶコロニーを舞台に活劇が展開され、センス・オブ・ワンダーがあふれてたな。これでもうすぐ刊行される『プロトコル・オブ・ヒューマニティ』に突撃できます。
読了日:10月07日 著者:長谷 敏司
プロトコル・オブ・ヒューマニティプロトコル・オブ・ヒューマニティ感想
応募したゲラで読了。2050年代、コンテンポラリーダンサーの護堂は事故で右足を失うがAI制御の義足を提供され、AIを調教しながら再び踊れるようになる。義足を紹介してくれたダンス仲間で技術者でもある谷口から、ロボットと踊る舞台をやってみないかと誘われる。これまで一途に「機械を鑑に人間性を写してきた」作者だけに、最後のダンスシーンの描写はとても説得力があった。同じく舞踏家だった父が痴呆となって人間性を失ってゆく過程でも、護堂自身の内面の掘り下げと舞台の試行錯誤過程がシンクロしているようでした。
読了日:10月10日 著者:長谷 敏司
宇宙は「もつれ」でできている 「量子論最大の難問」はどう解き明かされたか (ブルーバックス)宇宙は「もつれ」でできている 「量子論最大の難問」はどう解き明かされたか (ブルーバックス)感想
読み友さんのお勧めでKindle版を読了。著者はジャーナリストで、アインシュタイン始め今年のノーベル物理学賞受賞者ら多くの研究者の論文や書簡などから「言葉」を集めて主に会話形式で再構築し、黎明期から2005年まで如何にして量子論が進歩してきたかを辿った歴史書。「もつれ」について必ずしも理解できたわけではないけど、研究者たちの波乱万丈なドラマとして楽しめた。その「言葉」のソースを監修者が細かく調査して注釈としてPDFで公開していて、面白いエピソードも多く併読していたが電書化する際に一緒にして欲しかったです。
読了日:10月29日 著者:ルイーザ・ギルダー

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2022.11.01 | コメント(0) | トラックバック(0) |

9月の読書メーター

9月の読書メーター
読んだ本の数:21
読んだページ数:8059
ナイス数:105

アニーの冷たい朝 (創元推理文庫)アニーの冷たい朝 (創元推理文庫)感想
Kindle版を読了。大阪府警シリーズ第八作で、主人公はこれも初登場の村井刑事となる。府内でセーラー服を着させられ、派手なメイクをほどこされた看護婦の死体が発見されるという幕開け。今回は当時流行した「デート商法」がテーマだが、そこにサイコなシリアルキラーという味付けをしているのが面白かった。ただ犯人側の内面へのツッコミがやや足りず、捜査が振り回されている感じが惜しかったかな。これで短編集を除きシリーズはコンプリートです。
読了日:09月29日 著者:黒川 博行
絵が殺した (創元推理文庫)絵が殺した (創元推理文庫)感想
Kindle版を読了。大阪府警シリーズ七作目で、今回の主役は初登場の吉永刑事で、前作のブンと総長も脇役で色を添える。筍掘りの主婦が偶然発見した白骨死体を調べると、前年から行方不明だった日本画家だったという幕開け。バディを組むのは操作の途中で出会った零細画商という意外な展開で、第二作でもチラッと触れられた美術界の内幕を暴いてゆく。登場人物が多いと共に、日本各地へ捜査でおもむく場面があり、ストーリーを追いかけるのがちょっと大変だったな。本書も読了後にタイトルを見て、上手い名付けだったと思ったわ。
読了日:09月28日 著者:黒川 博行
ドアの向こうに (創元推理文庫)ドアの向こうに (創元推理文庫)感想
Kindle版を読了。大阪府警シリーズ第六作で、三作目に引き続きブンと総長のコンビが主役。橋梁工事現場で衣装ケースに入った人体の頭部と脚部が発見され、捜査本部が立ち上げられる。本文の中でネタバレしているが、私も最初の部分を読んで「刑事コロンボ」のあるエピソードを連想したな。今回、著者が切り込むのは建築設計事務所とゼネコンの関係で、建築設計界の学閥や政治家なども俎上に載せている。謎解きは主に総長が担うが、密室トリックなどミステリー的な仕掛けも多く、広範囲かつ地道な捜査が描かれていたっけ。
読了日:09月27日 著者:黒川 博行
切断 (創元推理文庫)切断 (創元推理文庫)感想
Kindle版を読了したが、前書きにXMDF版からKindleフォーマットに変換したとあって電書歴長いので懐かしさを感じたっけ。大阪府警シリーズの五作目で、主人公は新登場の久松刑事となり特にバディはいない感じ。耳を削がれた死体が発見され、その耳には死後切り取られたと思われる小指が挟み込まれていたため連続殺人事件として捜査が始まるという幕開け。主に久松の視点で語られるが、犯人の視点とある人物の過去の視点も挿入され、物語は複雑化している。謎解きは物足りなさあったけど、久松の単独行がハードボイルドっぽくて好き。
読了日:09月26日 著者:黒川 博行
八号古墳に消えて (創元推理文庫)八号古墳に消えて (創元推理文庫)感想
Kindle版を読了。大阪府警シリーズ四作目で、前作に引き続き黒マメコンビが主役。古墳の発掘現場で土砂崩れが起き考古学者の死体が発見されるが、死亡時間が深夜であるなど不審な点が多く捜査本部が立ち上げられるという幕開け。このシリーズでは銀行業界、美術界、海運業界などの内部を暴いてきたが、本作は考古学会とデベロッパーの関係にメスを入れている。相変わらず黒ちゃん視点主体ではあるが、犯人の視点でのモノローグ的な部分もはさまれ全体像をほそくしている。自分も考古学オタクなので面白かった。
読了日:09月25日 著者:黒川 博行
海の稜線 (角川文庫)海の稜線 (角川文庫)感想
Kindle版を読了。大阪府警シリーズの第三作で、これまでの黒マメコンビに代わり、ブンこと文田と総長こと総田のコンビへ。しかし謎解き役は警視庁から出向してきた若手キャリアの萩原がつとめる。阪神高速でおきた自動車爆破殺人事件を調査してゆくと、過去の海難事故にぶち当たる。あとがきにあるように著者の父が海事関係者で、そこから多大な情報を得ていたことでミステリーに深みを与えている。ブンさんの視点で語られるが、東京人の萩原との文化ギャップなど著者らしい会話劇も面白くて楽しめたな。
読了日:09月24日 著者:黒川 博行
雨に殺せば (角川文庫)雨に殺せば (角川文庫)感想
Kindle版を読了。前作から主人公を既婚の黒田から独身の黒木にキャラクター変更したものの、相棒の亀田との黒マメコンビは継承。現金輸送車襲撃殺人事件に捜査一課の二人が招集されるが、銀行内部の共犯者をあぶり出すため捜査二課の応援をあおぐ。このあたりが後の黒川作品につながる社会性の強い作風を感じさせてくれたな。美術界の金の転がし方も興味深かったし、高度成長が一段落しバブルに向かう前の踊場だった時代の空気が味わえた。最後のシークエンスを読み終えて、このタイトルを観た時に「ああ、なるほど」と思ってしまったよ。
読了日:09月23日 著者:黒川 博行
二度のお別れ (角川文庫)二度のお別れ (角川文庫)感想
Kindle版を読了。大阪府警シリーズの第一作で、著者のデビュー作。新大阪駅近くの銀行に強盗が入り、金を奪った後に居合わせた客が撃たれ人質として連れ去られ身代金を要求する手紙が届くという幕開け。1980年代の設定なので携帯電話も無ければ、Nシステムも無い状況での捜査が懐かしい。主人公の黒田刑事と亀田刑事のバディスタイルで物語は進むが、これまで読んだことのある堀内・伊達シリーズとは違い、真っ当な刑事モノでしたね。大阪弁で語られるテンポの良さもあってスルリと読めちゃいました。
読了日:09月22日 著者:黒川 博行
無情の月 下 (ハヤカワ文庫SF)無情の月 下 (ハヤカワ文庫SF)感想
Kindle版で上下巻を読了。隕石衝突による温暖化で近い将来地球に住めなくなるため宇宙移住を余儀なくされるという歴史改変SFの三作目で、これまでのエルマに代わり同僚の女性宇宙飛行士ニコールが主人公となる。ニコールは州知事の夫人でありながら宇宙飛行士としても現役で、地球と月を股にかけて活躍していたが、宇宙移住に反対する地球ファースト主義者のテロとの戦いに巻き込まれる。物語が進むにつれニコールのおもわぬ過去が明らかになったり、最後は「そう来たか!」と思わず膝を打ったね。前作の伏線も回収されて満足したよ。
読了日:09月21日 著者:メアリ・ロビネット・コワル
無情の月 上 (ハヤカワ文庫SF)無情の月 上 (ハヤカワ文庫SF)
読了日:09月20日 著者:メアリ・ロビネット・コワル
火星へ 下 (ハヤカワ文庫SF)火星へ 下 (ハヤカワ文庫SF)感想
Kindle版で上下巻を読了。1950年代の隕石衝突による温暖化で地球に住めなくなるという歴史改変SF「宇宙へ」の続編で、月のコロニーをなんとか立ち上げた人類が移住先の火星へ初めて旅立つ物語。50年代という時代設定が絶妙で、映画「ドリーム」で描かれた女性計算手がそのまま宇宙飛行士として活躍できているのが上手い。あとがきで著者が宇宙オタクとなった経緯も明かされるが、当時の様子をYouTubeで掘り起こすなどの努力もうかがえた。これで第三作「非情の月」へ突撃できます(^_^;
読了日:09月18日 著者:メアリ・ロビネット・コワル
火星へ 上 (ハヤカワ文庫SF)火星へ 上 (ハヤカワ文庫SF)
読了日:09月17日 著者:メアリ・ロビネット・コワル
キュレーターの殺人 (ハヤカワ・ミステリ文庫)キュレーターの殺人 (ハヤカワ・ミステリ文庫)感想
ワシントン・ポー・シリーズ第三作ですがKindle版で読了。故郷カンブリアの自宅でリモート勤務するポーが、地元でクリスマスをはさんだ3日間にそれぞれ別人の3組の指が発見された連続殺人事件の捜査に招集される。お馴染み天才分析官のティリーとコンビを組んで犯人を逮捕するが、そこである方面から情報がもたらされ「キュレーター」という言葉がやっと登場する。ここまでが中盤で、ここからが謎から謎へというミステリーらしい展開。ティリーのギークらしいミクロな分析と、ポーのマクロな視点で物ごとを結びつける推理が気持ちよかった。
読了日:09月16日 著者:M・W・クレイヴン
捜索者 (ハヤカワ・ミステリ文庫)捜索者 (ハヤカワ・ミステリ文庫)感想
Kindle版を読了。離婚しシカゴ市警の刑事も辞め、アイルランドの片田舎に移住したカルが主人公。住む人のなかった家を修復しながら、牧草地をはさんだ隣人のマートや村人たちとパブなどで交流を深めてゆくが、ある日トレイという中学生と出会い失踪した兄を探して欲しいと頼まれる。警察時代に培ったインタービュー術や推理手法でその兄の友人たちから話を聞いてゆくうちに、徐々に物語が動きはじめる。カルの視点で進んでゆくのと、行動を第一義としている点がハードボイルドっぽくて好き。結末も余韻があって良かったわ。
読了日:09月14日 著者:タナ フレンチ
黒き荒野の果て (ハーパーBOOKS)黒き荒野の果て (ハーパーBOOKS)感想
Kindle版を読了。南部で自動車修理工場を経営するアフリカ系のバグが主人公。工場の資金繰りが悪くなり、昔の悪事仲間からバグの運転技術をあてにされ強盗の片棒をかつぐよう誘われ止むなく同意する。バグの家族や両親を取り巻く状況がていねいに描かれていると共に、疾走感あるカーアクションも迫力あって筆力を感じた。映画でもカーチェイスが大好物なので楽しめたけど、巻末のあとがきで映画化が進行中との情報もあり期待大っす。
読了日:09月11日 著者:S・A コスビー
流浪地球流浪地球感想
Kindle版を読了。6編を収めた中短編集で、表題作は中国で映画化され「流浪の地球」の邦題でネトフリ配信中(内容はだいぶ違うみたいだが)。ほとんどが宇宙を舞台にしていて、三体シリーズを連想させる世界観もあってどれもセンス・オブ・ワンダーあふれてたな。「呑食者」では恐竜が登場するが、豊田有恒さんの一連の作品を思い出したりも。おバカな作品も一編あり、著者のお茶目さも発見できたわ(^_^;
読了日:09月09日 著者:劉 慈欣
残響 警視庁監察ファイル残響 警視庁監察ファイル感想
「祈りも涙も忘れていた」が良かったので「警視庁観察ファイル」シリーズ1〜3巻をKindle版で読了。警視庁捜査一課員だった佐良がある事件の失敗で人事一課観察係へ移動となる、という幕開け。観察係とは警視庁の警官4万人の不正などを取り締まる『警察の警察』。2巻まではほぼ佐良の視点で描かれていて「祈りも涙も忘れていた」と同じくハードボイルド感が強かったが、3巻は事件が錯綜してきたので多視点となったのもやむを得ないかな。知人が世話になった刑事さんがいきなり県警を辞め葬儀社に再就職したけど、監察マターだったのかも。
読了日:09月08日 著者:伊兼 源太郎
ブラックリスト 警視庁監察ファイル (実業之日本社文庫)ブラックリスト 警視庁監察ファイル (実業之日本社文庫)
読了日:09月06日 著者:伊兼 源太郎
密告はうたう 警視庁監察ファイル (実業之日本社文庫)密告はうたう 警視庁監察ファイル (実業之日本社文庫)
読了日:09月04日 著者:伊兼 源太郎
スパイコードWスパイコードW感想
Kindle版を読了。近未来、中国に強硬派の指導部が誕生し台湾侵攻が迫る中、先回りして対抗措置を行う特務機関のお話。台湾のアルファブロガー、日本の新聞記者、台北に事務所を構える冴えない探偵など多様な人部の視点で物語が語られてゆく。テック系の記述などは著者らしい真実味はあるものの、特務機関の実態についてはファンタシィ過ぎて残念。先日まで読んでいた「祈りも涙も忘れていた」でも特務上りの老人が登場したが、そちらの方がよっぽど実体感があったっけ。でも、続編が出たら読んでみたいな(^_^;
読了日:09月03日 著者:福田 和代
祈りも涙も忘れていた祈りも涙も忘れていた感想
Kindle版を読了。20年前、警視庁からある県警の捜査一課に配属された若手キャリアの甲斐が赴任早々、放火殺人事件の捜査本部で管理官を任されるという幕開け。物語が進むにつれ次々と事件が発生するが、その元凶は一つではないかと甲斐は徐々に気づく。甲斐の一人称で語られるし、彼の捜査手法が一本気なとこや、ラマイオリヒの小説「だから、僕は人を殺した」が度々引用されるなど文学的側面もあってオールドスタイルなハードボイルドを強く感じさせてくれた。この小説のタイトルも甲斐の心情をにじませているようで、心に残ったな。
読了日:09月02日 著者:伊兼 源太郎

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2022.10.01 | コメント(0) | トラックバック(0) |

8月の読書メーター

8月の読書メーター
読んだ本の数:23
読んだページ数:8417
ナイス数:117

ブラックサマーの殺人 (ハヤカワ・ミステリ文庫)ブラックサマーの殺人 (ハヤカワ・ミステリ文庫)感想
「ストーンサークルの殺人」の続編で、同じくセールだったKindle版を読了。ポーがNCAに移動する前カンブリア警察時代にポーが殺人罪で刑務所送りにしたシェフの、殺されたはずの娘が6年後姿を表すという幕開け。今作もポーと情報分析官ティリーのコンビが主役となるが、前作では犯人がなかなか明らかにならなかったのとは対象的にポーとシェフの知力を尽くした一騎打ちの構図となっているのが面白い。また、敵はシェフだけではなく警察側にもいたが、ティリーはじめ味方も多かったのがポーの助けとなっていたのも印象的。
読了日:08月31日 著者:M W クレイヴン
ストーンサークルの殺人 (ハヤカワ・ミステリ文庫)ストーンサークルの殺人 (ハヤカワ・ミステリ文庫)感想
セールだったのでKindle版を読了。UK版FBIとも言われるNCAを停職中のポー刑事が急遽呼び戻され、彼の故郷カンブリア州で起きている連続殺人事件の捜査に加わるという幕開け。主人公のポーは正義感が強く、独自の捜査方法を突き進むので一匹狼として浮いているのがハードボイルドっぽくて好き。しかし、今回の事件では同僚の情報分析官とバディを組んで捜査を進めてゆくが、その分析官が一癖も二癖もあって名コンビとなる。何度か事件解決かと思わせておきながら、まだ残りページがあってだまされたけど、最後まで惹きつけられたわ。
読了日:08月29日 著者:M W クレイヴン
日本人の神道: 神・祭祀・神社の謎を解く (ちくま新書 1659)日本人の神道: 神・祭祀・神社の謎を解く (ちくま新書 1659)感想
Kindle版を読了。神道の歴史を振り返り、最後には未来を展望している。原初は神が降りてくる神座から始まり、神座のある山が神体山として祀られ、神仏習合からは仏教伝来で持ち込まれた仏教建築が神社という場を作ったとしている。記紀やその後の古文書、絵巻物などを引用し、近代の神道系新宗教である天理教の神がかりに関する文章まで参考にしていたり、弥生時代の古墳にも言及している。三輪神社の本殿のない神社を紹介しているけど、もう一歩縄文時代の浅間山を拝んだと考えられる祭祀遺跡についても踏み込んで欲しかった。
読了日:08月27日 著者:島田 裕巳
産霊山秘録 下の巻 (角川文庫 緑)産霊山秘録 下の巻 (角川文庫 緑)感想
だいぶ以前にセールで購入したKindle版上下巻をやっとこさ読了。上古より天皇家の忍びとして働いてきたヒ一族の物語で、上巻は戦国時代、下巻では江戸時代と昭和が描かれている。著者の小説は『妖星伝』以来だと思うけど、その『妖星伝』に出てきた「地球には生が多すぎる」という意味あいの言葉が本書にも出てきて、世界観は昔から昔から変わっていないのを再確認。先日まで読んでいた『ロスト・シンボル』でのワシントンD.C.の記述が本書にもちらっと出てきてビックリ(^_^;
読了日:08月26日 著者:半村 良
産霊山(むすびのやま)秘録 上の巻 (角川文庫 緑 375-22)産霊山(むすびのやま)秘録 上の巻 (角川文庫 緑 375-22)
読了日:08月25日 著者:半村 良
ロスト・シンボル (下) (角川文庫)ロスト・シンボル (下) (角川文庫)感想
Kindle版で上中下巻を再読。映画を観た「ダ・ヴィンチ・コード」とかは内容を比較的覚えているのに、本書はほぼ初読という感じ。ラングドンシリーズお決まりの、ラングドン≒ホームズがワトソン代わりの美女とバディを組んで謎解きをする、という構図は変わりなかったがお相手のキャサリンの合流が中盤まで遅れたのがちょっともったいない。アクションシーンなどは初期作よりは無理がなかったけど、一方聖書の持ち上げ方については聖書編纂過程でのニカイア公会議などの経緯が取り上げられなかったのは残念。
読了日:08月24日 著者:ダン・ブラウン
ロスト・シンボル (中) (角川文庫)ロスト・シンボル (中) (角川文庫)
読了日:08月23日 著者:ダン・ブラウン
ロスト・シンボル (上) (角川文庫)ロスト・シンボル (上) (角川文庫)
読了日:08月22日 著者:ダン・ブラウン
われら闇より天を見るわれら闇より天を見る感想
Kindle版を読了。カリフォルニアの避暑地である小さな街の警察署長ウォークと、その街に住む無法者を自称する13歳の少女ダッチェスふたりを主人公とする犯罪小説。プロローグでの30年前の不幸な事故の記述から始まり、現代に戻ると次々と発生する事件が淡々と語られるが、徐々に伏線が回収されて行くのが快感であると同時に胸が締めつけられるような思いにもなってしまう。特にダッチェスとその弟ロビンのやり取りなどは涙腺が緩みそうになるし、登場機会の少ないキャラも魅力的だったな。
読了日:08月21日 著者:クリス ウィタカー
ハンガー・ゲーム3 下 マネシカケスの少女 (文庫ダ・ヴィンチ)ハンガー・ゲーム3 下 マネシカケスの少女 (文庫ダ・ヴィンチ)感想
Kindle版で三部作を再読。近未来、古代ローマの闘技場での剣闘士サバイバルを彷彿とさせる『ハンガー・ゲーム』に妹の身代りとして出場したカットニスを主人公とするシリーズ。元々中高生向けのヤングアダルトというジャンルの作品だったが、ベストセラーとなり映画も計四作が作られ、私も全作劇場で観ましたっけ。だもんでカットニスはJ.ローレンスの姿で脳内再生され、どっぷりと浸っちゃいましたよ。こうやって再読すると、映画もリピートしたくなりますね(^_^;
読了日:08月19日 著者:スーザン・コリンズ
ハンガー・ゲーム3 上 マネシカケスの少女 (文庫ダ・ヴィンチ)ハンガー・ゲーム3 上 マネシカケスの少女 (文庫ダ・ヴィンチ)
読了日:08月18日 著者:スーザン・コリンズ
ハンガー・ゲーム2 下 燃え広がる炎 (文庫ダ・ヴィンチ)ハンガー・ゲーム2 下 燃え広がる炎 (文庫ダ・ヴィンチ)
読了日:08月17日 著者:スーザン・コリンズ
ハンガー・ゲーム2 上 燃え広がる炎 (文庫ダ・ヴィンチ)ハンガー・ゲーム2 上 燃え広がる炎 (文庫ダ・ヴィンチ)
読了日:08月17日 著者:スーザン・コリンズ
ハンガー・ゲーム(下) (文庫ダ・ヴィンチ)ハンガー・ゲーム(下) (文庫ダ・ヴィンチ)
読了日:08月16日 著者:スーザン・コリンズ
ハンガー・ゲーム(上) (文庫ダ・ヴィンチ)ハンガー・ゲーム(上) (文庫ダ・ヴィンチ)
読了日:08月16日 著者:スーザン・コリンズ
プロジェクト・ヘイル・メアリー 下プロジェクト・ヘイル・メアリー 下感想
三体シリーズにインスパイアされ、Kindle版で上下巻を再読。三体とは一部テーマが共通しているが、科学的なアプローチという点では本書が秀逸。著者のデビュー作である「火星の人」は最初ネットで公開され、科学的な間違いをネットからの反響で修正していった集合知的な小説だったが、本書も科学的な検証が多くなされているようで説得力は充分。おまけにストーリーテリングが上手くて、ページをめくる手が止まらなかったわ。
読了日:08月15日 著者:アンディ・ウィアー
プロジェクト・ヘイル・メアリー 上プロジェクト・ヘイル・メアリー 上
読了日:08月14日 著者:アンディ・ウィアー
三体X 観想之宙三体X 観想之宙感想
Kindle版を読了。三体シリーズの二次創作で、一部がネットで公開されると評判となり、劉慈欣の公認も得て出版され、本編と同じくケン・リュウの翻訳で英米でも出版されるという栄誉を受ける。著者は出版時はアマチュアではあったが、その後プロの作家となり日本でも翻訳がどどっと出版されつつある。内容は三体シリーズで描ききれなかった部分を補完したり、シリーズのその後についても壮大な展開を語っている。少しやり過ぎとも感じたが、その辺も二次創作っぽくて楽しかったよ。
読了日:08月13日 著者:宝樹
三体III 死神永生 下三体III 死神永生 下感想
Kindle版で三体シリーズ全三巻を再読。各巻はどれも刊行年に一度読んだだけだったので、まとめて読むのは初めて。第二巻までのスケール感に比して、第三巻の時間軸は別格でセンス・オブ・ワンダー溢れまくったわ。サイエンス面だけでなく、雲天明のおとぎ話の謎解きではミステリー要素も楽しめた。第一巻の身近さや、第二巻のロマンティックさも改めて沁みたな。これで安心して「三体X」へ突撃できます(^_^;
読了日:08月11日 著者:劉 慈欣
三体III 死神永生 上三体III 死神永生 上
読了日:08月09日 著者:劉 慈欣
三体II 黒暗森林 下三体II 黒暗森林 下
読了日:08月07日 著者:劉 慈欣
三体Ⅱ 黒暗森林 上三体Ⅱ 黒暗森林 上
読了日:08月05日 著者:劉 慈欣
三体三体
読了日:08月03日 著者:劉 慈欣

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2022.09.01 | コメント(0) | トラックバック(0) |

7月の読書メーター

7月の読書メーター
読んだ本の数:11
読んだページ数:1995
ナイス数:103

死霊狩り(ゾンビー・ハンター)〈3〉 (ハルキ文庫)死霊狩り(ゾンビー・ハンター)〈3〉 (ハルキ文庫)感想
サイボーグブルースにインスパイアされ、Kindle版で全三巻を数度目の再読。サイボーグブルースとの共通点として、主人公がいずれも体の全てか一部を損傷し機械化されてしまうことと、物語の最後でこれまでの人類からステップアップしようとすること。最終巻のあとがきはタイトルも「人類ダメ小説の終わり」で、平井氏はこのあと大河小説「幻魔大戦」に取りかかるが自分は途中で離脱してしまったっけ。なので、人類ダメ小説の平井氏でいて欲しかったという結論っす(^_^;
読了日:07月31日 著者:平井 和正
死霊狩り(ゾンビー・ハンター)〈2〉 (ハルキ文庫)死霊狩り(ゾンビー・ハンター)〈2〉 (ハルキ文庫)
読了日:07月31日 著者:平井 和正
死霊狩り(ゾンビー・ハンター)〈1〉 (ハルキ文庫)死霊狩り(ゾンビー・ハンター)〈1〉 (ハルキ文庫)
読了日:07月30日 著者:平井 和正
サイボーグブルース (角川文庫 緑 383-1)サイボーグブルース (角川文庫 緑 383-1)感想
マーダーボットダイアリーにインスパイアされ、Kindle版を何度目かの再読。最初に読んだころは21世紀にもなって黒人問題を持ち出すなんて、と思ってたけど #BLM ムーブメントをみても作者の慧眼が間違っていなかったことが証明された感じ。マーダーボットも人間と機械の間で苦しんでいたが、本書の主人公であるサイボーグは人間時代の怨念を引きずって生きているのが、読んでいて苦しいわ。あとがきにある「8マンへの鎮魂歌」という一言が重いね。
読了日:07月29日 著者:平井 和正
逃亡テレメトリー マーダーボット・ダイアリー (創元SF文庫)逃亡テレメトリー マーダーボット・ダイアリー (創元SF文庫)感想
Kindle版を読了。過去に大量殺人を犯したとされマーダーボットの異名をとる警備ユニットを主人公とするシリーズの第三弾。拾われた惑星の宇宙ステーションで発生した殺人事件の捜査を依頼される長編の他に掌編二作が加わる。元々<弊機>という一人称で語られていたが、捜査に加わるというシチュエーションで一層ハードボイルド感が強く香る。ハッキングの技と実弾で事件を解決してゆく姿は相変わらず格好いいわ。あとがきに作者が今後三作を刊行する契約を出版社とむすんだとあったので、今後にも期待してるよ。
読了日:07月28日 著者:マーサ・ウェルズ
喪失の冬を刻む (ハヤカワ・ミステリ文庫)喪失の冬を刻む (ハヤカワ・ミステリ文庫)感想
Kindle版を読了。部族警察とFBI二つの法執行機関の手からもれた悪党に私刑を行うネイティブアメリカン(以下N.A.)の男が主人公。映画「ウインド・リバー」でも部族警察とFBIの関係が描かれていたが、拳骨で私刑を執行している主人公が窮地に陥った際、N.A.のスピリチュアルな面に思わず頼ってしまうという弱さも好感度高いね。居留地はいくら人数が多くてもN.A.の関係性は正しく村社会で、身内で問題を解決しようとする心理もわからないではない。
読了日:07月26日 著者:デイヴィッド・ヘスカ・ワンブリ・ワイデン
三年目の崇徳院三年目の崇徳院感想
Webで公開された短編を読了。昭和の名人志ん生お得意の「崇徳院」と、その後日談ともいえる「三年目」二つの噺をネタにしたミステリー。謎解きを香道家の女性が行うのだが、この女性を主人公にしてシリーズ化して欲しい(^_^;
読了日:07月25日 著者:山田正紀
UNDERGROUND MARKET アービトレーターUNDERGROUND MARKET アービトレーター感想
3時間ほどで読み切れる短編SFで、Kindle版を読了。「アンダーグラウンド・マーケット」をリファインした内容で、東京オリンピックを数年後に控えたフリービーと呼ばれるWeb開発に携わる地下経済生活者3人のストーリー。「アービトレーター」とは裁定者という意味で、中国から入ってきた仮想通貨でトラブルを抱えた3人が知恵と体力で裁定者と渡り合う。コロナ流行前に書かれたので現状とはかけ離れてしまったが、10月に迫った個人事業者の消費税対応にもからむ著者のツイートも切実さが増している現状を映している。
読了日:07月23日 著者:藤井太洋
UNDERGROUND MARKET ヒステリアン・ケースUNDERGROUND MARKET ヒステリアン・ケース感想
読み切るのに1時間半ほどの掌編SFで、Kindle版を読了。「アンダーグラウンド・マーケット」の前日譚で、主人公三人が出会うストーリー。もう一つの主人公と言っていいのが『N円』という仮想通貨と、フリービーと呼ばれる移民たち。東京オリンピックの2年ほど前を描いているのだが、コロナが流行する前だったので状況はだいぶ違ってしまった分は割り引かなきゃいけないけど、ありそうな日本の姿が浮き彫りになっていて、相変わらず呻らされたわ。
読了日:07月23日 著者:藤井太洋
距離の嘘距離の嘘感想
Kindle版を再読。2年ほど前に読んだ時と比べても、COVID-19の収束が異なってるなどの点が違っているが迫真さは色あせてなく、相変わらず楽しめたわ。
読了日:07月15日 著者:藤井 太洋
[映]アムリタ (メディアワークス文庫)[映]アムリタ (メディアワークス文庫)感想
Kindle版を読了。再読だと思うんだけど、最初の感想が残っていずorz かなり無茶ぶりなプロットなんだけど、軽妙なボケとツッコミに乗せられて楽しく再読できたわ。
読了日:07月02日 著者:野崎 まど

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2022.08.01 | コメント(0) | トラックバック(0) |

6月の読書メーター

6月の読書メーター
読んだ本の数:8
読んだページ数:3672
ナイス数:4

ナイトホークス〈下〉 (扶桑社ミステリー)ナイトホークス〈下〉 (扶桑社ミステリー)感想
Kindle版で上下巻を読了。たまたま開高健の電子全集「ベトナム戦争」を拾い読みしていた合間に読んだので、ベトナム戦争当時のトンネルねずみの活躍に感激も一入。ハードボイルドという枠だけでなく、ミステリーの側面もしっかりしていたので相変わらずガッツリした読後感だったわ。
読了日:06月28日 著者:マイクル コナリー
ナイトホークス〈上〉 (扶桑社ミステリー)ナイトホークス〈上〉 (扶桑社ミステリー)
読了日:06月26日 著者:マイクル コナリー
光圀伝 (下) (角川文庫)光圀伝 (下) (角川文庫)感想
Kindle上下合本版を再読。相変わらず光圀の道教への傾倒には違和感を覚えたが、一本ビシッと筋を通しぬいた彼の生涯には感服したっけ。
読了日:06月22日 著者:冲方 丁
光圀伝 (上) (角川文庫)光圀伝 (上) (角川文庫)
読了日:06月20日 著者:冲方 丁
流浪蒼穹 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)流浪蒼穹 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)感想
Kindle版を読了。「掃き出し窓」という訳語が何度か出てきたが、「ピクチャーウインドウ」にした方がしっくり来るのにと思った。中国語からの翻訳なので、漢字に引っ張られてしまったのかな。『三体』シリーズではケン・リュウによる英訳も参考にしたということなので、そのような弊害は感じられなかったので残念。最後の伏線回収も力業すぎた印象だったよ。
読了日:06月17日 著者:郝 景芳
同志少女よ、敵を撃て同志少女よ、敵を撃て感想
Kindle版を再読。独ソ戦では双方のプロパガンダ合戦という印象が強いけど、今度のウクライナ戦争はプロパガンダではロシアの一人舞台っすね(爆笑
読了日:06月13日 著者:逢坂 冬馬
クロス・ボーダー 下 (ハヤカワ・ミステリ文庫)クロス・ボーダー 下 (ハヤカワ・ミステリ文庫)感想
Kindle版で上下巻を再読。前大統領が現役時代からボロカスに批判しているリベラル気質に最敬礼っす(笑
読了日:06月08日 著者:サラ パレツキー
クロス・ボーダー 上 (ハヤカワ・ミステリ文庫)クロス・ボーダー 上 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
読了日:06月03日 著者:サラ パレツキー

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2022.07.22 | コメント(0) | トラックバック(0) |

2月の読書メーター

2月の読書メーター
読んだ本の数:3
読んだページ数:1115
ナイス数:24

ネイビーシールズ:特殊作戦に捧げた人生ネイビーシールズ:特殊作戦に捧げた人生感想
図書館で借りて読了。前半はもっさりした印象で、SEAL入隊訓練のシーンも映画「ローン・サバイバー」に比べるともう一つ。でもパラ降下訓練中に骨盤断裂する重症を負い、自宅療養中に9.11が起き復帰後ホワイトハウス(WH)勤務になる辺りから俄然引き込まれた。映画「キャプテン・フィリップス」での船長救出や、映画「ゼロ・ダーク・サーティー」のビン・ラーディン殺害もWHとの折衝や現場との連携が生生しく描かれていて、「なるほどー」と唸らさせれたっけ。「ゼロ・ダーク〜」は徹底的に現場視線だったのに対し、本書は上から目線。
読了日:02月17日 著者:ウィリアム・H・マクレイヴン
昭和史 1926-1945昭和史 1926-1945感想
セールだったのでKindle版を読了。冒頭の方に出て来た「維新から40年で日露戦争に勝ち、そこから40年間転げ落ちて敗戦、なんとか高度成長したけど40年でバブル崩壊」といった意味の一文にはうならされた。本書は講義という形式で語られたものを書籍化したもので、語り口がソフトでいながら鋭い批評精神がピリリと効いている。特に昭和に入ってからの政府と軍部の無軌道な行動には呆れてしまうし、現在の状況が開戦前に重なってしまう。バブル崩壊からもうすぐ40年だけど、敗戦に匹敵する衝撃が来そうで怖い。
読了日:02月05日 著者:半藤 一利
半藤一利 語りつくした戦争と平和半藤一利 語りつくした戦争と平和感想
図書館で借りて読了。半藤氏の本は「日本のいちばん長い日」以来、久々。実は先に「昭和史」を読んでいたのだが、図書館の予約がスムーズでこちらから。内容は東京新聞に掲載されたインタビューや対談をまとめたもので、取材した記者のコラムなどもあり、半藤氏を立体的に捉えることができたかな。「昭和史」と重なる部分もあったけど、特に対談は相手により内容が多彩で楽しめた。
読了日:02月04日 著者:

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2022.03.01 | コメント(0) | トラックバック(0) |

1月の読書メーター

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読んだ本の数:3
読んだページ数:1046
ナイス数:33

マーダーボット・ダイアリー 下 (創元SF文庫)マーダーボット・ダイアリー 下 (創元SF文庫)感想
図書館で借りて上下巻を読了。人類がワームホールを利用し外宇宙へ進出している遠い未来、保険会社に所属する有機体と機械の複合構成ロボットが主人公。過去に57人の人間を殺し「マーダーボット」と呼ばれた過去があるが、記憶を消され詳細はわからない。自分を「弊機」と読んでいるが、原文では単に「I」つまり私だったようで、訳者のセンスの良さに感服。モノローグでストーリーは進み、ハッキング技術や実弾を使って迫りくる危機を打ち破ってゆくのは、米国伝統のハードボイルドを彷彿とさせる。主人公がネットの連ドラに耽溺しているのも(笑
読了日:01月28日 著者:マーサ・ウェルズ
マーダーボット・ダイアリー 上 (創元SF文庫)マーダーボット・ダイアリー 上 (創元SF文庫)
読了日:01月25日 著者:マーサ・ウェルズ
プロメテウス・トラップ (ハヤカワ文庫JA)プロメテウス・トラップ (ハヤカワ文庫JA)感想
Kindle版を読了。MIT留学中にFBIのサーバーに侵入したかどで服役し、帰国後はフリーランスのコンピュータ技術者として生活していた能條(ハンドルネームはプロメテウス)に、MITの同級生ポール(ハンドルネームはパンドラ)からクラッカー退治の誘いを受け、ロサンゼルスに渡るという幕開け。最初に刊行されたのが2010年で、2017年文庫化に際し改稿されたそうだが、やや古臭い印象はぬぐえない。しかし、著者お得意のサスペンス感あふれる展開はこの当時から全開で、楽しめたな。
読了日:01月16日 著者:福田 和代

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2022.02.01 | コメント(0) | トラックバック(0) |

12月の読書メーター

12月の読書メーター
読んだ本の数:9
読んだページ数:2466
ナイス数:43

プロジェクト・ヘイル・メアリー 下プロジェクト・ヘイル・メアリー 下感想
Kindle版で上下巻を読了。近未来、太陽が発光量を落とし、近々地球が寒冷化すると予測された。サンプルの採取により光量が落ちた原因が微生物によるものがと判明し、近くの星系でも同様の被害が確認されたが、唯一症状が確認されていない十光年ほどの先のタウ星系へ片道の燃料しか無い調査船が送られる、とういう幕開け。「火星の人」でもたった一人で難関を突破してゆく主人公の姿に感銘を受けたが、今作では途中でお思わぬ相棒を得、バディを組んで突き進むのが印象的でした。
読了日:12月29日 著者:アンディ・ウィアー
プロジェクト・ヘイル・メアリー 上プロジェクト・ヘイル・メアリー 上
読了日:12月24日 著者:アンディ・ウィアー
今はじめる人のための俳句歳時記 新版 (角川ソフィア文庫)今はじめる人のための俳句歳時記 新版 (角川ソフィア文庫)感想
とりあえず冬の章をGoogle Playブックスで読了。セールだったのでほぼ半額でゲット、他の季節についてはおいおい追っかけます。先日の入門書に続け、夏井せんせーの指導は的確で、季語の紹介では過去の俳人の名句のセレクトも絶妙っす。
読了日:12月20日 著者:
夏井いつきの世界一わかりやすい俳句の授業夏井いつきの世界一わかりやすい俳句の授業感想
Kindle版で読了。元々ほぼ毎回観てる「プレバト!」のファンで、この本のサンプルをダウンロードして読んでましたが、先日の「プロフェッショナル」での夏井さんの俳句に向き合う情熱に感銘を受けて即購入。この本は全くの俳句ビギナーに講習を行った連載を書籍化したもので、「プレバト!」で繰り返し出てきた「擬人化」や「意味の重なり」を避けるテクニック、「尻から俳句」などの初心者向け手法について解りやすく書かれています。悪ノリですが、夏井さんの初心者向け歳時記も買っちゃいました(^_^;
読了日:12月15日 著者:夏井 いつき
世界の海賊 海を愛した無法者たちの夢 (ナショナル ジオグラフィック別冊)世界の海賊 海を愛した無法者たちの夢 (ナショナル ジオグラフィック別冊)感想
図書館で借りて読了。著者は米陸軍戦史センター所属の歴史家で、腕に錨の刺青入れた鉄火なおねえさん。やはり、大西洋やカリブ海の海賊、私掠船(バッカニア)に多くのページが費やされたてた。当時の裁判記録まで掘ってるのは、信頼度が高いわ。東南アジアや、南シナ海、倭寇にも触れられてたけど、いかんせんページが少なかったのは残念。一方、地中海のイスラーム系海賊(コルセア)にほとんど言及されていないのは、米国人にとってはコルセアの脅威が実感できなかったからか。コルセアとバッカニア、共に米英の艦載機の名前ですね(^_^;
読了日:12月14日 著者:
印度カリー子のスパイスカレー教室: もっと美味しく、もっとディープに 4つのスパイステクニックで作る本格カレー印度カリー子のスパイスカレー教室: もっと美味しく、もっとディープに 4つのスパイステクニックで作る本格カレー感想
Kindle版を読了。やや揃えるスパイスが手が出そうになく、高度すぎかなり飛ばし読みしちゃったかも。でも参考になりそうなメニューはスクリーンキャプチャして、Google Keepに保存したので今後活躍しそう(笑
読了日:12月13日 著者:印度カリー子
まるで渡り鳥のようにまるで渡り鳥のように感想
Webで公開されているものを読了。一万字ちょっとの短編で、英語や中国語に翻訳もされて雑誌に掲載されたとか。今から百年ほどの未来、ラグランジュ点に静止する宇宙ラボで実験を行う女性科学者が主人公。著者自らがPythonで書いて、公開しているプログララマブル電卓用の軌道計算プログラムを駆使していることがしのばれるかな。この作品はこれまでのようなガジェットは登場せず、久々に本格的ハードSFとなっているのも嬉しかったわ。
読了日:12月06日 著者:藤井太洋
デスハンター(下) (マンガショップシリーズ)デスハンター(下) (マンガショップシリーズ)感想
半額セールだったので、Kindle版で上下巻を読了。この原作に加筆訂正した平井和正の小説『死霊狩り』シリーズは読んでいて、ストーリーは了解済み。これまで漫画をKindleでは読んでいなかったのはKindle端末やスマホでは小さく読みにくかったからで、先日Chromebookタブレットを購入したので試してみたところ、結構大きく表示されるし、見開きページもきれいに見えるので一安心。
読了日:12月05日 著者:桑田 次郎,平井 和正
デスハンター(上) (マンガショップシリーズ)デスハンター(上) (マンガショップシリーズ)
読了日:12月05日 著者:桑田 次郎,平井 和正

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2022.01.01 | コメント(0) | トラックバック(0) |

11月の読書メーター

11月の読書メーター
読んだ本の数:8
読んだページ数:2935
ナイス数:18

同志少女よ、敵を撃て同志少女よ、敵を撃て感想
Kindle版を読了。モスクワ郊外の村で母と二人で猟師をしていた少女フィーマが母を独軍狙撃兵に射殺され、彼女を除く村人も全員独軍に殺され、赤軍の狙撃学校に誘われて物語がスタート。卒業後スターリングラード、クルスク、ケーニヒスベルクと転戦し、母を殺した狙撃兵イェーガーとの死闘を繰り広げる。以前読んだ大木毅『独ソ戦』で主題の一つだった「世界観戦争」がリアルに描かれ、狙撃の理論とスピード感あふれる描写はお見事。戦後村に戻ってからの生活のエピローグには、ほっこりさせられた。これが処女作とは思えない筆力だわ。
読了日:11月24日 著者:逢坂 冬馬
ILC/TOHOKUILC/TOHOKU
読了日:11月11日 著者:小川 一水,柴田 勝家,野尻 抱介
最後のスパイ 希望 (光文社文庫)最後のスパイ 希望 (光文社文庫)
読了日:11月09日 著者:レン デイトン
古道 (1966年)古道 (1966年)
読了日:11月08日 著者:藤森 栄一
聖地の条件 神社のはじまりと日本列島10万年史聖地の条件 神社のはじまりと日本列島10万年史
読了日:11月05日 著者:蒲池 明弘
播磨国妖綺譚播磨国妖綺譚
読了日:11月03日 著者:上田 早夕里
最後のスパイ 信義 (光文社文庫)最後のスパイ 信義 (光文社文庫)
読了日:11月02日 著者:レン デイトン
スパイ・シンカー (光文社文庫)スパイ・シンカー (光文社文庫)
読了日:11月01日 著者:レン デイトン

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2021.12.08 | コメント(0) | トラックバック(0) |

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    プロフィール画像を親愛なるへむれんさんが書いてくれました、多謝!

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