ストーリーとかは各所で紹介されていますので簡単に紹介しますが、昔一緒に活動していたロック・スター、トミー・ノーシスの全米公演を追いかけ、会場の近くの酒場でステージを行うヘドウィグの歌とモノローグでつづる一幕もののミュージカルです。出演はヘドウィグの山本耕史とその夫イツァーク役の中村中の二人とGt.2名、Kb.Dr.Bs.の5名のバンドのみ。
会場は新宿のコマ劇場のそば、普段は格闘技専門で公演しているそうですが、恵比寿に移る前のLIQUIDROOMだった場所かな?会場に入ってCLUB風なフロアと周りの一段上がったスペースで気がつきました。新宿歌舞伎町にふさわしい怪しい舞台ができて嬉しい、とカーテンコールで山本さんが言っていましたね。
ステージにはパンキッシュな落書きがされた壁とその上にLEDで文字や絵が浮かぶ透けるディスプレイが設置され、開演前から映画でも印象的だった性同一性障害を象徴するイラストなどが映し出されていましたっけ。ほぼ定刻に客電が暗くなり、先ずバンド、続いて中ちゃんが入場。中ちゃんの衣装は白のシャツ以外は黒のスリムなパンツ、黒いエナメルのハーフコート、ロングでカーリーな黒髪に黒のバンダナ、黒いサングラスと黒ずくめ。山本さんの衣装については見てのお楽しみと言うことで、ナイショ!
1曲目「Tear Me Down」のイントロが流れる中、中ちゃんの紹介でスポットライトが当たったのが私も先程入ってきた会場の入口。映画のオープニングもこんな感じでしたが、ちょっとビックリしましたよ。その後も山本さんや中ちゃんが何度か客席の中を行ったり来たりしてたっけ。後半はかなり音圧が上がっていましたが前半はちょっとバンドの音が低くて、大好きな「Tear Me Down」をもっと大音量で聴きたかった。最初からガツンと行って欲しかったよ。
そしてモノローグが始まり、故郷の東ベルリンでのエピソードから2曲目の「Origin of Love」へ雪崩れ込む展開。できればスタンディングで踊りながら聴きたかったな。山本さんの歌も結構ROCKしてましたが、腰振りはJ.C.には敵わなかったかな。この辺りのエピソード、映画では母親や最初の恋人である米兵などは実際の役者が演じていましたが、ステージでは中ちゃんが二役・三役とこなしてました。中ちゃんせりふはまだまだ硬い感じですが、歌は絶品。特に3曲目の「Angry Inch」のコーラスにはシビレました。
そして中盤ではお待ちかねの「Wig in a Box」、ここで映画のようにコーラス・タイムがあるかなと思いましたが、残念なことにありませんでしたね。でも私はひとりで「Put some make up!〜」の部分は大声で歌っちゃいましたよ。いくつかの曲ではディスプレイに歌詞が流れていたので、ここでCall & Responseして欲しかったなー。
まだ公演2日目なためか、山本さんはせりふを噛む場面が多かったけど、アドリブでそれを逆手にとってネタにしてしまうのは舞台慣れしているからでしょうね。口に含んだビールを観客に吹きかけるバリエーション、パンク風はオリジナルからあるのかな?あれは大受けでしたよ。
あと、もうひとつ残念だったのは山本さんのガタイが良すぎること、特に後半で上半身裸になった時はきつかった。もろ逆三角形で、立派過ぎ。映画でのJ.C.のスリムで中性的なイメージと大違い。トミーになりきって歌った場面ではぴったりだったけどね。
そして締めはもちろん名曲「Midnight Radio」です。山本さんの声はややキレイすぎかもしれませんが、公演が進むに連れJ.C.並みにハスキーになるかも。この曲の後半でステージから消えていた中ちゃんが客席後方から再登場。白いドレスで栗色のフェミニンなカール、白い花の髪飾り。いや、美しかった。ちょっと涙が滲んでしまったよ。二人でのデュエットも美しかったし、素晴らしいエンディングでしたね。
初めてのミュージカルでしたが、楽しかった。映画とは違うところが多かったけど、生のステージではこういうシンプルな構成がぴったりですね。2時間一気に見せてもらいました。全国回るツアーもあるし、ソールド・アウトだったFACEでの追加席も発売されたそうです。またもう一度ぐらい見に行きたいな。
